My Ever Changing Moods/The Style Council [Blue-Eyed Soul]
まずはスタイル・カウンシルについて簡単に触れておきます。
メインボーカルのポール・ウェラー(Paul Weller)とkey担当のミック・タルボット(Mick Talbot)を基本メンバーとして1983年イギリスで誕生したユニット。
広い意味では所謂ブルー・アイド・ソウルの系譜に属すると言っていいですが、曲はファンク、ジャズ、ボサノバetcと多彩なジャンルを包摂していて、明確なジャンル分けがしづらい。むしろ、そういう所与の定義・分類を拒否しようという(ウェラーの)意図さえ見えます。
もともとリーダーをつとめるウェラーは70年代後半にイギリスで生起したパンクムーヴメントに乗ってThe Jamを誕生させ、同バンドでもリードボーカルとして中心的な役割を果たした人物。The Jamは一躍イギリスのトップバンドに上り詰めたものの、わずか5年の短い活動期間で幕を下ろした。絶頂期での解散。その後の動向が注目された彼が結成したのがこのスタイル・カウンシル(通称スタカン)。
ウェラーの熱狂的なファンはスタカンのサウンドを聴いてどう感じただろうか。
パンクから一転ジャズ、ボサノバ・・・となるとかなりの飛躍があると見えるのだが、The JamのサウンドにもR&Bが色濃く反映していたと見る向きも多い。これはウェラー自身強くR&Bに傾倒していたためだと言われている。とは言ってもやはり驚いた人の方が多かったと思う。
さて、曲の話をしましょう。
このEver Changing Moodsは彼らのファーストアルバム「Cafe Bleu」(1984)に収録された一曲。シングルとしても発売され、今ではThe Style Councilを代表する名曲とされている。僕自身も彼らの曲で一番好きな曲は?と聞かれたら迷わずこの曲をあげます。80年代を代表する洋楽は?と聞かれても答えは同じかもしれません。それくらい好きな曲です。
シングル版とアルバム版では大きく趣を異にしていて、シングル版は小気味よいブラス・ロック調、対してアルバム版はピアノの弾き語り。ここにもウェラーの憎い演出が光っていますね。どちらもスタカンらしさが出ていますが、どっちかといえばアルバム版の方が好きかな。どこか哀切にも聞こえるピアノの音色と抑揚の利いたウェラーの声が堪りません。
まさしくEvergreenな一曲です。
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